Careers
アクセンチュアのWell-beingから学ぶ、働きやすさとキャリア成長の秘訣
アクセンチュアに入社して10年以上経ち、Well-beingに取り組むシニア・マネジャーが、激務と言われがちなコンサルティング業界でどのように心を整え、働きやすさとキャリア成長を両立させるか語ります。
2024/12/06
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アクセンチュアに入社して10年以上経ち、Well-beingに取り組むシニア・マネジャーが、激務と言われがちなコンサルティング業界でどのように心を整え、働きやすさとキャリア成長を両立させるか語ります。
2024/12/06
はじめまして、アクセンチュア ソングのYukoです。
アクセンチュアに入社してから10年以上経ち、現在はシニア・マネジャーです。
これまで、人事システムのグローバル展開から、デザイン思考をベースとした新規事業検討、マーケティング、セールス領域戦略立案を含むコンサルティング支援など、さまざまなプロジェクトを経験してきました。
この記事では、激務と言われがちなコンサルティング業界で、私自身が経験した挫折の乗り越え方や、変化に向き合うための具体的なヒントをお伝えします。また、私がアクセンチュアの社内横断組織で取り組んでいるWell-being(ウェルビーイング)活動を通じ、心を整え、成長につなげるための実践的な方法もご紹介します。
私の経験が皆さんのキャリアや働きやすさ、日々の生活に少しでも役立ちますように!
私はこれまでアクセンチュアで10年以上、様々なジャンルのプロジェクトに関わりました。
キャリアのはじめはとても恵まれた環境で、右も左もわからない中、上司やチームメンバー、優しいお客様に支えられ仕事を覚えていきました。入社2年目に、大きなプロジェクトの目立つポジションを与えてもらい、その結果を評価していただくと、「もしかして、自分は仕事ができる人間かもしれない」と自信を持つようになりました。
しかし、その自信は次第に過信へと変わり、成長のための学びを怠るようになり、傲慢になっていたように思います。あとから振り返ると「どうすれば自分が評価してもらえるか」ばかりを考えるようになっていました。
そんな状態で迎えた新しいプロジェクトでは、上司から思うような評価が得られず、悩むようになりました。
「どうしてうまくいかないのか」と考える日々が続き、ストレスを抱えたまま仕事だけでなくプライベートにも悪影響が出ました。休日でも仕事のネガティブな記憶が頭の中で何度もリピート再生され、心が重たい状態が続きました。出口の見えないストレスの蓄積は体にも現れ、様々な体調不良に悩まされるようになりました。
「自分の中の何かがおかしい」と感じながらも、その原因を理解できず途方に暮れていた時、たまたま部活動で知り合ったアクセンチュアの先輩から社内異動の助言をもらいました。これまでお世話になった方々への後ろめたさもあり、全く新しい分野でゼロから頑張れるか不安もありましたが、新しい環境に飛び込むことを決意しました。
環境が変わったことで少しずつ心が回復し始めましたが、まだ内面の整理はできていませんでした。
そこで、何とか自分が納得できる解を探そうと本を読み漁る中、草薙龍俊さんの『反応しない練習』やデール・カーネギーの『人を動かす』などの書籍に大きな影響を受けました。これらの本との出会いが、自己理解と再出発への鍵になったような気がします。
また、状況がある程度腹落ちできるようになってからは、同じように苦しんでいる人の助けになりたいという想いも強まっていました。
そんな時、あるプロジェクトでお世話になった先輩から声をかけていただき、アクセンチュア社内のWell-being活動に参加することになりました。実は、私は学生時代に心理学を専攻し、イギリスの大学院で臨床心理を学んでいたこともあり、いつか人の心に関わる仕事がしたいと思っていました。この活動への参加は、「同じように苦しむ人の力になりたい」という想いを形にするだけでなく、昔からの夢を実現する機会でもありました。
アクセンチュアでは、すべての社員が平等で自分らしく活躍できる職場環境の構築を目指し、5つの領域でインクルージョン&ダイバーシティの促進に取り組んでいます。
Well-beingはそのうちの1つの領域であり、社内の有志が集まってイベントやトレーニング、オンラインコンテンツなどの企画・配信をして、Well-beingの社内醸成を目指しています。
タブー視されがちなメンタルヘルスの課題について「あるものは、ある」と認め、その改善策をオープンに話し合う文化を作ることを目指し、昨年から新しい取り組みも始めています。こうした取り組みを通じて、社員が安心して心の悩みを打ち明けられる環境が少しずつ整い始めています。
Well-being強化月間には社内イベントも開催しました
「Well-being」という言葉はここ数年で世の中に広がりましたが、その言葉の使い手によってさまざまな定義を持っているように思います。そのうえで、アクセンチュアのWell-beingは心の状態に焦点を当てた活動で、中でも重視しているのが、リチャージ力という概念です。
アクセンチュアでは「Wellな状態」を「Eustressな状態」と位置付け、どんな状態からも自分でWellな状態に戻すことができる状態を「リチャージ力」と定義しています。
アクセンチュアのWell-beingでは、活動当初から「リチャージ力」をキーワードとしており、リチャージ力の具体例は整理していたものの、「アクセンチュアのリチャージ力」とは何か?について明確に定義をしていませんでした。
そこで、日本でWell-being活動が本格始動して3年目を迎えた今年、リチャージ力を「10個の力」として再定義しました。これは、原始仏教の「八正道」を参考にしながら、社員それぞれの経験を基に、特にコンサルティング業界で必要な力をまとめたものです。
仕事後に有志のみんなで集まって、リチャージ力の定義を議論しました
ただ、アクセンチュアは国内だけでも多くの社員がいるため、効果的に伝えることが大きな課題です。そこで社員一人ひとりに親しみを持ってもらうため、リチャージ力を象徴するキャラクター「wellmon(ウェルモン)」を作ることにしました。
wellmonはそれぞれのリチャージ力を象徴するキャラクターとして、視覚的に理解しやすく、使いやすいようにデザインしました。wellmonは、心の状態に応じて段階的に進化・退化します。レベルが上がると「芽→双葉→三つ葉」へと進化し、マスターの心の状態が悪化すると退化することもあります。これは、心の状態は常に変動するものだという現実を表しており、現状と変化を受け入れながら成長していく力を象徴しています。
このように、親しみやすく成長するキャラクターを通じて、リチャージ力を取り入れ、日々の行動に活かしてもらうことを目指しています。
AIで候補を考えつつも、最終的にタブレットで描きました
完成したリチャージ力の定義×10種類のWellmon
ここで、今回定義したリチャージ力をどのような場面で活用できるか、2つのリチャージ力を例に具体的なエピソードをご紹介します。
■変えられないこと手放し力
組織に所属している限り変化はつきものですが、新しい環境に移るときには、慣れ親しんだメンバーとの別れや、新しい上司・同僚との関係構築に不安を感じることもありますよね。
私自身も何度か組織変更を体験し、受け入れられずに暗い気持ちが続いたことがありました。しかし、何度か経験を重ねるうちに、「組織変更は自分一人ではコントロールできない」と気づくことができました。そこで「変えられないものは受け入れ、その中で自分にできる最善のことは何か?」を考えるようにしたのです。
この考え方を身につけることで、変化に対する不安が軽減され、新しい環境を前向きに捉えられるようになりました。変化は避けられないものですが、それを受け入れた瞬間に「この新しい環境でどんな成長ができるか?」と考え、変化を楽しむ心の余裕が生まれます。
■信頼獲得力
新しい上司と仕事する時は不安も伴いますが、まずは小さなことから真摯に行動に移し、着実に成果を積み重ねていくことが重要です。小さなタスクであっても誠意を持って対応し、やると決めたことは責任を持ってやり遂げる。また、「できないことはできない」と正直に伝えることも信頼の一部です。対応できる範囲を見極めながら、全力で取り組む姿勢を大切にしています。
こうした誠実な対応の積み重ねが結果的に信頼の基盤となり、より良い人間関係を構築することができます。「信頼獲得力」に基づく経験により自信が持てるようになり、環境の変化にも揺るがず、前向きに行動できるようになります。
キャリアを積み重ねる中で、挫折や変化は避けられません。しかし、リチャージ力を活用して心を整えることで、そうした困難を成長のチャンスに変えることができます。
アクセンチュアでの仕事には、時に大きなプレッシャーや継続的な成長への期待が伴い、決して簡単なものではありません。ただ、リチャージ力を身につけ、実践することで、どんな職場環境でも活かせる成長を得られると信じています。私自身、このリチャージ力を日常に取り入れることで、プライベートや人生全体においても大きなメリットを実感しています。
あなたにとって、今必要なリチャージ力は何でしょうか?
個人的な目標として、アクセンチュアのこの活動を会社の枠を超えて社会全体に広げたいという想いを持っています。もし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一緒にアクセンチュアでWell-being活動に取り組みましょう!